Fender Rhodes
フェンダーローズ


Rhodes の歴史

ローズの考案者であるハロルド・ローズ氏(1910年生まれ)は、1940年代に楽器の創作を始めました。元々は練習、教育、又は軍隊の娯楽の為に作られたのですが、1960年代の初め、レオ・フェンダー氏と共にフェンダーローズピアノベースの開発を始めました。それはアルミニウムの筒や棒を叩いて特徴的な音を響かせるという原理を利用して作られた、32鍵の小さなキーボードでしたが、それからしばらくして、1965年、フルサイズフェンダーローズの第一号機、Suitcase 88が誕生しました。(僕が持っているタイプのRhodes Suitcase 88 MK-1です)
 その後、CBSがRhodesの生産を引き継ぎ、又その後もシンセサイザーメーカーのARPにより、Rhodesシンセサイザーも多数開発されました。日本の大手楽器メーカーのRolandも、一時Rhodesの名前を所有しており、Rhodesのデジタルピアノを発売していました。代表的な機種はRhodes MK-80で、僕が持っているものです。1997年からは、再びハロルド・ローズ氏が、Rhodesの名前を受け継いだのですが、2000年12月に、お亡くなりになり、90年の生涯を閉じられました。

Rhodes の構造

Rhodesの発音方式は、グランドピアノのような、いわゆるアコスティックピアノのハンマーアクションと同じで鍵盤に連動したハンマーが弦の様なものを叩きます。この弦の様なものがトーンピンと言い、トーンピンはトーンバーとボルトで締め合わされています。調律されたピアノの音は、トーンピンに沿って動かせるバネの重さによって維持されます。調律はこのバネを前後移動させ行います。エレクトリックギターと同様に、トーンピンはelectric pickupの前で振動します。これはトーンピンの回りに置かれている磁石がトーンピンの動きにダンピング効果を与え、それによってサウンドが影響される、というように誘導の原理に従って作用します。

Rhodes のモデル

Rhodesピアノには大きくわけて、Suitcase(スーツケース)タイプの鍵盤部下にアンプがついたタイプとStage(ステージ)タイプのアンプが無く、鍵盤部だけのタイプがあり、それぞれ88鍵フルバージョン、73鍵ポータブルバージョンがあります。
Rhodesのモデルは年代によって変わり、初期に作られたのトップ部が丸型のものはMK-1で、1978年には、トップ部が平らなMK-2が開発されました。このMK-2の出現により、Rhodesの上に他のキーボードを乗せて演奏する事が可能になりました。1984年にはMK-5が開発され、MIDIの出力も可能となりました。
各モデル、初期のあの特有なサウンドは継承しているものの、モデルの違いで、多少サウンドも変わります。初期モデルではハンマーがフェルトで覆われており、neopreneで覆われたハンマーの新しいモデルよりもなめらかな音が得られました。また、初期のモデルと違いMK-2は高音域にresonance clampsを持っていない為、高音域にサスティーンが少ないです。
Rhodesピアノの中で最も愛され使われていたのは、新しく開発されたMK-5でもMK-2でもなく、初期のMK-1でした。中でもSuitcaseタイプは今だ愛され続け、手に入れる為には、製造されていない今、中古市場を探す以外に手はないのですが、なかなか市場に出てきません。ハモンドオルガンの名機B-3をまた新しく製造し発売するNEW B-3を発表した様に、近々Rhodesも同じ様にリメイク盤を作るという、そんなうわさも聞きますが、はたして本当のところはどうなのでしょうか。







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